IT関連立地企業
インタビュー
株式会社ライトカフェ
「IT雇用の創出や人材育成で地域活性」
代表取締役
榊原 喜成
立地企業データ
【会社名】
株式会社ライトカフェ 青森オフィス
【所在地】
青森県八戸市大字番町9-5
協栄八戸番町ビル2階
【立地年月】
2019年10月
【従業員数】
16名(シルバー人材含む)
【本社】
株式会社ライトカフェ
東京都渋谷区神宮前6丁目19番13号 J-6ビル 3階
※今回は新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンラインでの取材となりますが、今後青森への立地を検討されている企業様のご参考になりますとうれしく思います。
事業内容と青森オフィスの役割
弊社はwebサイトやシステム構築のトータルソリューションを提供しています。開発だけでなく企画のフェーズから、デザイン、構築、保守・運用フェーズまで、全工程を手がけ、「イツモトナリニライトカフェ」を信念にお客様に寄り添い、お客様と共に作り上げていきたいと考えています。
青森オフィスでは主にITインフラの運用保守業務と、AIアノテーションという業務を行っています。ITインフラというのは、Webシステムやアプリケーションが正常に稼動するためのネットワークの基盤のことで、滞りなくサーバーを動かすために、日々の障害対応やキャパシティ管理などを行っています。AIアノテーションとは、目的に沿った規則性や特徴をAIに正しく学習させる教習データを作成する業務です。八戸市に協力していただき、シルバー人材を活用して、正しい日本語を入力する作業や、画像が示すものの名前を入力していく作業など、日本語のアノテーションと画像のアノテーション業務を行っています。
青森県八戸市にオフィスを構えた経緯
弊社は2000年に東京で設立してから、沖縄県と福岡県にグループ企業、最初に青森県八戸市にサテライトオフィスを開設し、北海道札幌市、福島県白河市と立て続けに事務所を開設してきました。この背景には、首都圏でのエンジニアの人材不足に対して、地方に目を向け、IT雇用の創出や人材育成をすることで地域活性につなげられればという弊社の思いがあります。
青森県八戸市にオフィスを構えたそもそものきっかけは、Uターンを希望する社員の地元が八戸市だったことです。弊社の方針が八戸市とも合致したため、最初の地方拠点として八戸市を選び、2019年10月に事務所を開設しました。
八戸市にオフィスを構えるにあたっては、都外にある弊社のグループ会社で東京の案件を受注して遠隔で業務する、ということに慣れていたため、青森オフィスでもスムーズに業務を移行することができました。
現在は4名の社員がインフラエンジニアとして青森オフィスで働いており、シルバー人材は12名が作業をしています。
八戸市にオフィスを構えてみて
青森県八戸市は首都圏から意外に近く、新幹線で約3時間半で青森オフィスへ行くことができるという便のよさが魅力です。また、オフィスの開設当初から聞いていた「まじめにこつこつと仕事に取り組む」県民性も魅力的だと感じています。
青森県や八戸市のシルバー人材の担当者様は、ITに積極的に目を向けているので、これからもいろいろ協力していきたいと思っています。実際、シルバー人材を活用したアノテーション業務は他地域では実現していません。八戸市と話し合いを進めていくなかでシルバー人材センターをご紹介いただき、実現に至っています。
人材採用の面では、今のところ青森県内でのインフラエンジニアは3名しか採用していませんが、今後は積極的に雇用確保していきたいと考えています。シルバー人材の活躍の場を広げ、2023~2024年くらいまでに100名規模での採用を目指しています。それに伴い大きめのオフィスに変えたいと考えているのですが、それにかかるコストの安さや、広いオフィス物件があることも、八戸市の魅力ですね。
働き方としては、Uターンで地元の八戸市に帰らないといけないけれど、仕事は続けられる、という社員の働き方を実現できたのが一番良かったことです。八戸市に家族が居て、プライベートも充実させながら、社員個人のスキルを活かせています。八戸市にいながら東京本社やグループ会社とはほとんど違いがない状態で働くことができています。
今後の展望
弊社では現在、R&Dを絡めてリテールテック用にロボティクスへのアプローチを考えています。具体的にはロボットやAIでシルバー人材の労働力を向上させ、農業に活かしたいと考えています。例えば、果物や野菜などの収穫物の良し悪しを判断してくれるAIを用意して、実際の振り分け作業は人が行うなど、振り分けの判断力をAIを用いて補うことで生産性を高めます。シルバー人材にとって負荷になりえることをロボティクスが担っていくことで、ビジネスの実現を八戸市と協力して実現していきたいと考えています。
また、IT業界はどこに居ても仕事ができるという可能性があるので、会社基盤を東京から地方に移す、ということも今後は考えられると思います。