IT関連立地企業
インタビュー
株式会社DRAGON AGENCY
「地元愛が地元のためのITソリューションをつくる」
取締役 営業/管理部 部長
小山 洋永
立地企業データ
【会社名】
株式会社DRAGON AGENCY
【本社】
愛知県名古屋市中村区名駅5丁目23番17号
【設立】
2010年7月
【代表取締役】
飯田 真資
【従業員数】
5名(青森LABO)
事業内容と、青森LABOの役割
弊社は2010年に設立した、コンピュータのソフトウェア開発会社です。これまでさまざまな業務用システム開発・構築を行っており、スマートフォンを業務分野で応用するためのプログラム開発にも力を入れて取り組んでいます。
具体的には、これまで自動車会社の完成検査のためのシステムや、鉄道会社の企業公式アプリ、金融機関向けの渉外活動を記録するためのシステムなどを開発してきました。
最近では電球型ネットワークカメラ「テラスアイ」という製品を開発しています。電球型カメラになっていて、簡単な取り付けでネットワークカメラとしてお使いいただける製品となっています。弊社ではこの製品のアプリケーション部分などのソフトウェア開発を担当しています。
青森LABOは、青森県でプログラム開発・ソリューション開発を中心におこなうためのエンジニア集団として2021年に設立しました。名古屋本社にもエンジニアは在籍しているのですが、青森ならではのエンジニア集団を育成し、青森LABO独自のプログラム開発や製品開発を行っていければと考えています。
青森LABOを開設した経緯
青森LABOは2021年4月に立ち上げました。立ち上げの経緯としては、2020年7月に青森県名古屋産業立地センターから企業誘致のお話をいただいたことがきっかけです。会社設立から12年名古屋を拠点に活動してきましたが、競争率が激しいIT業界において若者の人材採用が難しいという課題がありました。
一方で青森では、システム開発などIT系の仕事がしたいという学生はたくさんいるけれど、青森県内にIT企業がないために、仙台や首都圏へと若手人材が流出してしまう現状がありました。地元愛が強く、地元に長く暮らすことを希望している若者も多いという話を聞いていたので、それならば地元を愛する方が地元で働ける場所を作りたいと考え、青森LABOの開設を決めました。
青森はITにとって十分チャンスが広がる土地だと感じています。若手人材採用のブルーオーシャンだと感じていますね。
実は、弊社は青森県を全く知らなかったわけではありません。2016年から、りんご海外輸出販売研修というプロジェクトに五所川原農林高校と取り組んでおり、社員が青森県に来る機会が何度かありました。青森を訪問するなかで、県民性や人柄に惹かれるものがありました。また名古屋本社から青森までのアクセスの良さもあり、企業誘致の話が出る以前から、社内では青森への企業立地に対して前向きな話が出ていたのです。
現在青森LABOには、2021年4月に新卒で採用した4名と、名古屋からベテランのエンジニアを1名派遣して、計5名が在籍しています。
実際に青森にオフィスを構えてみて
わたしたちが青森LABOを設立するにあたって重要視したのが採用面です。採用に関して、弊社では青森県内の情報を持ち得ていなかったのですが、各学校の就職担当課へのアポ入れや学校への同行など、青森県庁からの手厚いサポートをいただきました。
また、今入居しているオフィスの選定に関しても、わたしたちの条件を詳しくヒアリングした上で物件をご提案いただき、下見にも同行していただいたことで、県の中心地にあって景色のよいオフィスに出会えました。青森LABOを構えたことによって、地域に向けてさまざまな発信ができるというところもよかったと感じているところです。
地域を愛する方々が、地元のためにITを活用したソリューションを作っていくということを青森LABOの目的としているので、採用する際には地元で働きたい、地元のことが好きだという人が集まる印象を受けます。実際採用した4名も、全員が地域に対する課題意識を持っていました。
新卒で採用した社員のなかにはプログラミングのスキルがない方もいますが、本社から派遣されている青森LABO長はこの道20年以上の大ベテランです。そういった精鋭メンバーから技術を継承してもらえればいいなと思っています。
名古屋から青森までは飛行機でのアクセスになりますが、直行便が1日3便飛んでいます。
何かあっても、名古屋本社からドアtoドアで2時間あれば青森LABOに来ることができるというところを魅力に感じています。名古屋の方からすると青森はすごく遠くの場所というイメージがあるので、青森LABOがあるというと「えっ!なぜ青森ですか?」とよく聞かれるのですが、飛行機の本数や移動時間を伝えると興味を持たれる企業さんが多いですね。下手にほかの地域に事務所を構えるよりも、青森に構えた方がいいと強く感じています。
ワークライフバランスの面では、まず通勤時間に大きな違いがあります。名古屋や東京だと近くても30分、遠い人だと1時間~2時間の通勤時間がかかるのですが、青森LABOはオフィスビルの目の前にバス停があり、社員は青森市内からバスで通勤しています。
休日はバイクに乗って県内のあちこちを巡っている社員も居ますし、わたし自身も温泉や山、海や山の幸の美味しい食やお酒を楽しんでいます。
青森LABOの今後の展望
青森LABOは現在新卒4名と管理者1名で運営していますが、まずはそのメンバーが基礎力をつけて一人前のエンジニアになって、将来的には青森の地域課題を自分たちで発見し、解決に向けて動き、地元青森の人間が地域課題を解決するために開発した製品を、青森から日本全国、世界各国に展開していきたいと考えています。
また、今後は地域に根ざした仕事をしていきたいと考えています。地域に根ざした仕事というのは地元に事業所を構えることが必須で、その上で地元の人たちと一緒になってさまざまな取り組みをしていかなければ、うまくはいかないと考えています。縁あって青森市に事業所を構えることができたことで採用もできましたし、弊社にとってメリットばかりでした。今後も青森を愛している人たちを積極的に採用して、地域のために活動する人たちが一人でも増えたらいいなと思っています。