青森宝栄工業株式会社
豊かな環境で自由な発想が広がる
青森宝栄工業株式会社
代表取締役 社長/和田 信一郎さん
独自技術と
フレキシブルな企業経営
弊社は、自動車・建設機械用部品や住宅設備機器、環境保全機器、原子力関連機器の開発・製造・販売を手がけている宝栄工業グループの1杜で単独事業所です。
工場では、大型プレスを中心としたプレス加工から板金溶接、機械加工、塗装、組立まで一貫したラインで製造しています。中でもステンレスの溶接技術は、原子力関係の溶接認可を取得しており、溶接歪みを計算しながら施工することで、コストや品質を飛躍的に向上させています。このような、独自のオンリーワン技術で、お客様に貢献させていただいております。
主な製品として、地元で広く利用されている家庭用灯油タンク「サンダイヤ」があります。
弊社は1987年、六ヶ所村男子型企業の第1号として進出し、創業を開始しました。トラックの燃料タンク製造技術を活かし、住宅設備機器である家庭用灯油タンクを作る中で、専用工場が必要と考え立地建設しました。地元の高校新卒者中心の33名で立ち上げ、まさにゼロからのスタートとなりました。栃木県の工場で2ヶ月半研修を行い、昼は熟練作業員によるマンツーマンでの指導のもと、プレス、溶接、塗装、組立などの製造技術を学び、夜は技術安全関係の勉強に励みました。
また、1990年からは地元六ヶ所村の原子力事業において、低レベル放射性廃棄物輸送用コンテナや原子力燃料サイクルで使用するグローブボックスの製造も開始しました。
さらに、2000年には、太平洋を臨み、良い漁場を抱える六ヶ所村の環境を活かそうとマリンレジャー事業への参入を決め、船の燃料タンクや釣用ルアー(メタルジグ)を作り始めるとともに、釣具などを販売する株式会社ビッグオーシャンを設立しました。
ルアー製造を皮切りに、様々な釣具開発や釣りイベントを企画するなど、お客様のサポートを実施しました。最終的に、釣った魚を美味しく食べて喜んでいただきたいという思いと、食品製造機器を開発製造するという事業テーマのもと、一流のシェフと一緒に三沢市にフレンチレストラン「North40-40(ノース・フォーティーフォーティー)」を開業しました。
美味しい食品を作る機器開発を目指し、商品開発や研究調査をしていた最中、シンガポールでの出張中に偶然目を惹いたのが、「クエラピス」という現地ではお祝い用として扱われる高級菓子で、バウムクーへンをフラットにしたような、スパイシーな特徴のあるとても美味しいものでした。
早速、シェフとともに試行錯誤し、これを製造するための専用オーブンを開発するとともに、現地のバリエーションをはるかに凌駕する10種類のクエラピスを商品化しました。現在は、六ヶ所村の工場内に専用の菓子加工場を設置しており、菓子製造設備の8割は自社で設計製造しました。
当初は単一事業の、ものづくりの会社として進出しましたが、自由な発想のもと将来を見据え多くの事業に参入し、現在では従業員約100名を抱えるまでに成長してきました。
風光明媚な自然と
我慢強い青森の県民性
立地の検討に当たっては他県も考えましたが、青森県や六ヶ所村の担当者が一番熱心であり、積極的に情報提供していただいたことはもとより、風光明媚な自然環境も、進出の大きな要因となりました。
従業員は、ほぼ全員地元出身ですが、みな真面目に仕事に取り組んでいます。また、とても我慢強く責任感が強いことが青森の県民性だと感じています。
交通面について、東京から六ヶ所村までは飛行機を利用すると2時間少々で着きます。東京から栃木県にある工場に行くより早いため、何の不便も感じません。物流も県内の運送会社さんに協力していただき、発注先へ直接配送するロジスティクスをいち早く取り入れることもできました。
こうした環境で思いっきりのびのびと仕事ができています。立地以来、もう35年近くなりますが、今では地元の方々にすっかり地元企業として認知いただいてきているのではないかと思っています。
plofile
- 会社名
- 青森宝栄工業株式会社
- 県内所在地
-
〒039-3214
上北郡六ヶ所村大字平沼字田面木246
- 関連会社
- 株式会社ビッグオーシャン(釣具・レジャー用品、スイーツの販売、レストラン運営)
- 会社設立
- 1987年2月
- 操業開始
- 1987年6月
- 従業員数
- 97名
- 事業内容
- 住宅設備機器、環境保全機器、原子力関連機器、釣具・レジャー用品、スイーツの製造
2015年10月現在
掲載年月:H28.2