立地企業インタビュー

独自技術で「どこよりも小さく、どこまでも小さく」 エレクトロニクス産業の一翼を担う

青森リバーテクノ株式会社/代表取締役社長/萩原 義久さん

身近な電子機器に使われている水晶デバイス

 当社は、水晶振動子や水晶発振器を中心とした水晶デバイスのメーカーであり、エレクトロニクス産業の一翼を担っている会社です。当社の水晶デバイスは、自動車、カーナビ、デジタルカメラ、スマートフォン・携帯電話、パソコン、時計など、誰もが使っている身近な電子機器に利用されています。
 水晶には、機械的な圧力をかけると表面に電気を発生し、逆に電圧をかけると変形し振動するという性質があります。この性質を利用しているのが水晶振動子であり、水晶片に交流電圧をかけることにより共振を起こし、精度の高い周波数を発振させ、この周波数を電気信号として取り出し、各種電子回路に利用しています。また、一定の周期で振動する水晶の性質を応用して作られたのがクォーツ時計です。このように、水晶デバイスは、安定した周波数を維持する役割と、規則正しい時間を計測する役割をもっているのです。
 当社では、「どこよりも小さく、どこまでも小さく」を製品開発のコンセプトとして掲げています。1955年にソニーが発明した世界初の小型トランジスタラジオに当社の抵抗器が採用されたことをきっかけに、それ以来、製品の小型化に力を注いできました。
 小型化のための技術の一つとして、1998年に当社が開発したのが、電子ビームの細い線で金属を溶かし、微細な加工を実現する「電子ビームによる気密封止工法」です。この技術は当社独自のものであり、特許を取得しています。
 現在、最も小さい水晶振動子は、1.2?×1.0?まで小型化することに成功しており、日々、世界最小に向けた製品開発に取り組んでいます。





 

青森県で操業して50年、はじめは廃校の利用から

 現在、青森県内には、平川市の平賀工場とつがる市の車力工場、そして青森市の本社工場の3つの工場があります。平賀工場は、1966年に青森県の誘致企業として操業し、昨年11月に50周年を迎えました。
 当時を知る人からは、豊富な人材を求めて青森県に進出したと聞いており、最盛期には、青森県内の7工場で1,000人を超える従業員が働いていました。平賀工場や車力工場などは、学校の統廃合で廃校になった校舎を、自治体からほぼ無償で提供してもらい、工場として改装して操業しました。学校の横長の構造は、抵抗器の製造に使う長いベルトコンベアを入れるのに丁度良かったそうです。また、進出にあたっては、九州などの地域も候補としてありましたが、めったに台風が来ない環境も一つの要因となったと聞いています。
 操業当初は、主に抵抗器を作っていましたが、カラーテレビの開発・普及に伴い、水晶デバイスに対する需要増加が予想されたことから、主要製品を抵抗器から水晶デバイスに切替えて、これまで取り組んできました。
 今後は、IoTの普及に伴って、通信機器が増加することや、医療分野の機械設備の電子化により、水晶デバイスの需要が増えていくと予想されています。一方、1つの業態で長年続けることは難しく、先人が水晶デバイスの製造に切り替えたように、新たな製品の開発に取り組んでいかなければなりません。そのためには、既存製品の信頼性、精度の高さを磨きながら、独自の技術を追求していくことが必要だと考えています。



 

人材の質が高く、少数精鋭の企業に向く青森県

 青森県の人材はものすごくよく働き、特に女性の働きぶりが顕著です。平賀工場では、最盛期に月間5~7億個の抵抗器を作っていましたが、女性の活躍なくして達成できなかったと思います。男性も、決められた目標を達成しようとする責任感が強く、粘り強く仕事に取り組み、良い意味で愚直であると感じています。
 首都圏や本社のある山梨県との往復は、かつては寝台列車しかなく不便でしたが、今は新幹線があるので便利です。また、韓国との直行便があり、取引先の関係者を青森にいつでも呼べる環境にあります。
 近年は従業員を採用しにくい時代となっていますが、外国にはない優秀な作業員や質の高い管理者を求める少数精鋭の企業にとって、青森県は向いているのではと思います。

掲載年月:H29.2


青森リバーテクノ株式会社
■本社工場 (操業 1991年 4月)
〒030-0142
青森県青森市野木字山口245-11
■平賀工場 (操業 1966年11月)
〒036-0151
青森県平川市石郷字柳田38-1
■車力工場 (操業 1973年 8月)
〒038-3301
青森県つがる市富萢町字藪分41-1

【従業員数】266人
(2017年1月1日現在 県内合計)
【事業内容】水晶デバイスの開発・製造・販売


 

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